組織の中では――
よくわからないことを、
――よくわかりません。
と告白する勇気が――
もう少し積極的に認められても――
よいと思います。
よくわからないのに、「よくわかりません」と告白できなくて――
組織の状況を悪くするということが、しばしば起こります。
そうしたことを避けるために――
組織人は、自分がよくわかっていないことをみつけたときには、「よくわかりません」と声を上げたほうがよいのです。
が――
声を上げない組織人も多い――
いえ――
声を上げる組織人よりも、声を上げない組織人のほうが、圧倒的に多いのではないでしょうか。
なぜ声を上げないのか――
簡単です。
他の組織人から、
――そんなことも知らないのか!
と叱責されたり嘲弄されたりするのが、苦痛だからです。
これは、情の問題であって、理の問題ではありませんから、致し方ありません。
人は、情がブレーキをかけることには、いくら理でアクセルをふかしても――
行動には移せません。
よって――
いかなる組織人も、「よくわかりません」と告白する組織人に対しては、決して叱責したり嘲弄したりしないのがよいのです。
そんなことをすれば――
他の組織人が、「よくわかりません」と告白する勇気を捨ててしまいます。
他の組織人の全てが、「よくわかりません」と告白する勇気を捨ててしまったら――
その組織は、遠からず、瓦解します。
それでも、やはりどうしても叱責したり嘲弄したりしたいというのなら――
「よくわかりません」と告白する勇気を捨て、よくわからないことをよくわからないままに放置し、その結果、組織を窮地に追い込むような組織人に対してこそ――
すればよいでしょう。
少なくとも、「よくわかりません」と告白する組織人に対してするよりは、はるかにマシです。