マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「よくわかりません」と告白する勇気

 組織の中では――
 よくわからないことを、

 ――よくわかりません。

 と告白する勇気が――
 もう少し積極的に認められても――
 よいと思います。

 よくわからないのに、「よくわかりません」と告白できなくて――
 組織の状況を悪くするということが、しばしば起こります。

 そうしたことを避けるために――
 組織人は、自分がよくわかっていないことをみつけたときには、「よくわかりません」と声を上げたほうがよいのです。

 が――
 声を上げない組織人も多い――

 いえ――
 声を上げる組織人よりも、声を上げない組織人のほうが、圧倒的に多いのではないでしょうか。

 なぜ声を上げないのか――

 簡単です。

 他の組織人から、

 ――そんなことも知らないのか!

 と叱責されたり嘲弄されたりするのが、苦痛だからです。

 これは、情の問題であって、理の問題ではありませんから、致し方ありません。

 人は、情がブレーキをかけることには、いくら理でアクセルをふかしても――
 行動には移せません。

 よって――
 いかなる組織人も、「よくわかりません」と告白する組織人に対しては、決して叱責したり嘲弄したりしないのがよいのです。

 そんなことをすれば――
 他の組織人が、「よくわかりません」と告白する勇気を捨ててしまいます。

 他の組織人の全てが、「よくわかりません」と告白する勇気を捨ててしまったら――
 その組織は、遠からず、瓦解します。

 それでも、やはりどうしても叱責したり嘲弄したりしたいというのなら――
「よくわかりません」と告白する勇気を捨て、よくわからないことをよくわからないままに放置し、その結果、組織を窮地に追い込むような組織人に対してこそ――
 すればよいでしょう。

 少なくとも、「よくわかりません」と告白する組織人に対してするよりは、はるかにマシです。