マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

拒む技術

 頼られ、求められ、甘えられる喜び――
 というものがあります。

 この喜びには依存性があって――
 他者から頼られ、求められ、甘えられれば甘えられるほどに――
 人は、その喜びに、いつまでも浸っていようとする傾向があります。

 それは、ほとんど、

 ――耽溺

 といっても良いくらいの粘着的な衝動です。

 そのような耽溺を回避するには、どうしたらよいでしょうか。

 残念ながら――
 簡便な打開策はありません。

 拒むことを地道に覚えていきます。

 頼られ、求められ、甘えられることを――
 いつでも、必要に応じ、巧みに拒めるようになっておく――

 そのように拒むことを、

 ――拒む技術

 と呼びましょう。

 この技術は、独立自尊の維持には必須です。

 拒む技術が拙いと、他者から自分への依存を許し、ひいては自分から他者への依存を許し――
 それら依存が相互に際限なく助長し合っていくからです。