マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

あいあいがさ

 一本の傘に男女2人が一緒に入ることを、

 ――あいあいがさ

 といいますね。

 ときに、落書きとして傘の絵の下に男女の名前を書くことも、「あいあいがさ」といいます。

 きょう――
 昭和前期の小説を読んでいて、「相合傘」という言葉を目にし――
 僕は、初めて、

 ――あいあいがさ

 が、

 ――相合傘

 であって、

 ――愛々傘

 でないことを知りました。

 てっきり、「愛々傘」だと思っていたのですよね。

 そもそも、「あいあいがさ」が昭和前期の小説に出ていることすら、わかっておりませんでした。
 ずっと昭和中期以降に生まれた俗語――若者ことば――だと思っていたのです。

 おそらく――
 落書きのほうの「あいあいがさ」に強く引っ張られていたのでしょう。

 ……

 ……

 ところで――

「あいあいがさ」が「相合傘」であるならば――
「あいあいがさ」の「男女2人が一緒に入る」という意味は、いったい、どこから生じているのでしょうね。

 恋愛関係にない男性同士2人や女性同士2人であっても何らおかしくはない――
 ということになります。

 ……

 ……

「相合傘」では、情緒がなさすぎる――
かといって、「愛々傘」では、幼稚っぽい――
 ここは一つ、

 ――逢い合い傘

 としてはどうか――
 などと本気で思っております。

「逢」は、「逢瀬(おうせ)を重ねる」の「逢」です。