マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

パッとしない女の子が眼鏡をとったらスゴい美人

 パッとしない女の子が眼鏡をとったらスゴい美人、というのは――
 マンガの中だけの話と思っておりましたが――

 きょう――
 通勤電車の向かいの座席の女性が、そんな感じでした。

 たぶん20代のOLさんです。

 よれた灰色のビジネス・スーツを着――
 黒縁の眼鏡をかけていて――
 スカートの丈が膝上であることを除けば、ひどく地味な服装でした。

(う~む。ちょっと清潔感が足らないな~)
 と残念に思っていると――

 その女性――
 おもむろに眼鏡を外してレンズを拭き始めたのですね。

 そうしたら――
(え~!)

 まったく印象が変わってしまって――
 清潔感の溢れるスマートな顔立ちなのです。

(こんなことってあるのか……)
 と思って――
 レンズを拭き終え、眼鏡をかけなおした女性をみて――
 気づきました。

 女性の黒縁の眼鏡は――
 フレームが横に長い四角形で、レンズは分厚くて牛乳瓶の底のよう――
 まるで昭和の高度経済成長期に、首からカメラをブラ下げて行楽地を練り歩いていたオジさんたちの眼鏡だったのですね。

(これは眼鏡が悪い)
 と心中、苦笑い――

 眼鏡一つで、ずいぶん変わるものです。

 ……

 ……

 それにしても――
 この女性――なぜ、あんな昭和のオジさん眼鏡をかけていたんでしょうね。

 ひいお祖父ちゃんの形見か……?