マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

色気を醸し出したいのなら

 色気というものは――
 一般には、意識して醸(かも)し出せるものではなく、無意識に醸し出してしまうものだ、と――
 僕は思っています。

 ごく簡単にいってしまうと、

 ――他者に性的な関心を抱かせる性質

 が「色気」です。

 つまり――
 意識して色気を醸し出すということは、

 ――他者が自分に性的な関心を抱くように仕向けること

 であり――
 無意識に色気を醸し出すということは、

 ――いつの間にか他者が自分に性的な関心を抱くこと

 です。

 性的な関心を抱くということは――
 感情の動き――情動――に相当します。

 つまり――
 意識して色気を醸し出すということは――
 無意識に色気を醸し出すこととは違い――
 他者の情動を意図的にコントロールすることに当たります。

 いいかえれば――
 他者の心を操るということです。

 これは至難の業といえましょう。

 ですから――
 色気は、一般には、意識して醸し出せるものではなく、無意識に醸し出してしまうなのです。

 それでも――
 もし、あなたが、どうしても意識して色気を醸し出したいと思うのなら――
 あなたは、自分が他者の心を操ろうとしているに他ならないことを、明確に理解する必要があります。

 その際――
 留意すべきは、あなた自身の感覚ではありません。

 自分の外見や言動を、いくら性的魅力で飾ったところで――
 その魅力が自分の基準に従っている限りは、決して色気は醸し出せません。

 他者の基準――自分に性的な関心を抱くように仕向けたい相手の基準――に従うしかないのです。

 ――そんなの、イヤだ!

 と思う人は――
 色気を醸し出すことは諦めたほうがよいでしょう。