冬は時間泥棒が2人いますね。
1人は直接的に盗む泥棒で、
――日照時間の短縮
という名の泥棒です。
日の出が遅くなり、日の入りが早まれば、どうしても人間の活動時間は減りますよね。
日が照っていないと、なかなか元気に積極的には動けないものです。
もう1人の泥棒は、間接的に時間を盗みます。
名を、
――外気温の低下
といいます。
外気温が低下すれば、屋内の室温も、いくら暖房があるとはいえ、ある程度は必ず低下するものであり――
屋内の室温が低下すれば、屋内にいる人の体温も僅かながらに低下します。
そして――
体温が低下すれば、人は多少なりとも眠くなるものです。
つまり、「外気温の低下」という時間泥棒は、最終的には、
――睡眠時間の延長
という名の仲間を差し向け、時間を盗んでいきます。
どちらの時間泥棒が、より厄介か――
僕は「日照時間の短縮」よりは「外気温の低下」のほうが、ずっと厄介だと思っています。
「外気温の低下」が差し向ける「睡眠時間の延長」は、時間と引き換えに心地よい安らぎを残していってくれます。
どんどん盗んでいくのに、ぜんぜん嫌な思いをさせていない――
というのは、ひどく恐ろしい泥棒です。