テレビというメディアは――
何とも複雑な構図の中にあります。
公共放送のNHKは別にして――
民間放送の各テレビ局は――
スポンサーである企業などから資金を得て、番組を制作し――
その番組を、スポンサーの広告と併せて放映することで、スポンサーに利益を還元する――
つまり――
テレビ局は、視聴者のためではなく、スポンサーのために番組を制作していることになります。
テレビ局の“お客様”は、視聴者ではなく、スポンサーなのですね。
ところが――
実際の構図は、もっと複雑でして――
たしかに――
テレビ局の“お客様”はスポンサーですが――
そのスポンサーの“お客様”は、消費者であり――
その消費者の一部は、視聴者と重なっている――
という構図です。
……
……
この構図――
何かに似ていますね。
……
……
そう――
合わせ鏡です。
……
……
もちろん――
この“合わせ鏡”は――
2枚の鏡を単に平行に向かい合わせたものではなく――
形や大きさや反射のしやすさが異なる2枚の鏡を――
やや斜めに向かい合わせたものです。