マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

テーマが「恋」であったので

 一般に、抽象的な議論は嫌われますが――

 もし、誰もが避け難い強烈なテーマで抽象的な議論をするならば――
 そんなには嫌われないようです。

「誰もが避け難い強烈なテーマ」とは――
 例えば、

 ――恋

 とか――

 人間が普遍的に備えている根本的な本能として、およそ異論が出なさそうなものに――
 性欲と食欲との2つがあります。

 これら本能に深く関わるテーマであれば――
 たぶん、

 ――誰もが避け難い強烈なテーマ

 となりうるでしょう。

 が――
 このことをふまえると――
「恋」以外にも「食事」が抽象的な議論のテーマになりそうですが――

 そうではありません。

 食事の対象は千差万別であり、食事の仕方も色々ありますから――
 食事の議論は、どうしても個別具体的になりがちです。

 つまり――
「食事」というテーマは、本来、抽象的な議論に不向きである、と――

 これに対し――
 恋の対象は基本的には1つ(異性)しかなく、恋の仕方も基本的には1つ(対象に何らかの方法で関わり続ける)しかありませんので――
 抽象的な議論のテーマには向いているのですね。

     *

 きょう――

 僕は――
 かなり抽象的な学術エッセイをつまみ読みしたのですが――

 テーマが「恋」であったので――
 予想外に面白く読めました。