マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

価値は高いが、足の早くない情報

 ――情報に流される。

 という表現がありますね。
 あるいは、

 ――情報に溺れる。

 とも――

 どちらも、

 ――足の早い情報に振り回され、発言や行動を間違える。

 といった意味です。

 ここでいう「足の早い」とは――
 例えば、

 ――中・長期的には価値がなくなる。

 あるいは、

 ――短期的にしか価値をもちえない。

 といった意味です。

 おわかりのように――
 価値それ自体の高低は問いません。

 足の早い情報は、一見、価値が低いようですが――
 価値が高いことも珍しくはありません。

 例えば、

 ――あす台風が来る。

 といった情報です。

 この情報は、防災や減災の観点から、大変に高い価値をもっています。

 が――
 当然ながら、“あさって”には価値を失います。

 足の早い情報であることに、間違いありません。

 一方、

 ――天気予報で「あす台風が来る」といっている場合は、たいてい、その通りになる。

 といった情報は――
 さほど価値は高くありませんが――
 一定の価値をもち続けます――将来、天気予報の精度が目にみえて下がるか、百発百中にまで上がるかするまでは――

 ……

 ……

 情報に触れる時には――

 情報の価値の高低だけでなく、“足の早さ”にも注意を払う必要があります。

 足の早い情報だけを追いかけたり、足の早い情報だけに囲まれたりしていると――
 ちょっと危険です。

 例えば――
 価値は高いが、足の早くない情報というものには――
 まったく触れられなくなります。

 その結果、知恵が不足し――
 自身の発言や行動を間違えてしまう――

「価値は高いが、足の早くない情報」というのは――
 通常、

 ――知恵

 と呼びならわされています。