熊本の地震のニュースには――
今さらながらに驚かされました。
何か自然災害が起こってしまえば――
平穏無事の日常も一瞬で断ち切られうるという事実を――
そして――
その厳然たる事実への恐怖感を――
再確認しました。
5年前に――
東日本大震災に遭ったとき――
僕は、津波が押し寄せた死地の只中におりました。
幸いなことに――
僕自身は、大事に至らなかったわけですが――
すぐ近くで、大勢の方々が亡くなりました。
何か一つでも条件が違っていれば――
僕も死んでいたはずです。
よって――
平穏無事の日常も一瞬で断ち切られうるという事実を――
僕は、あの時、嫌というほどに痛感したはずですが――
それでも――
僕は、きのうの熊本の地震のニュースに――
二重の意味で驚きました。
一つは、熊本の地で、平穏無事の日常が、またも一瞬で断ち切られたという事実に――
もう一つは、平穏無事の日常も一瞬で断ち切られうるという事実を自分が忘れかけていたという事実に――
……
……
たぶん――
僕だけではないでしょう。
人は、油断をすると、自分にとって都合の悪い真実は、すぐに忘れるものです――
とくに、自分たちの生存を脅かすような厳しい現実などは――