もし、いつか、とんでもない災厄に遭うことがわかっていて――
しかも、そのときに――
天災か人災か、どちらかを選べるとしたら――
僕は――
天災を選びたいと思います。
誰かが発射した核ミサイルの襲来に遭うよりは――
どこかの火山の突然の超巨大噴火に遭うほうが――
ずっとマシだと感じています。
人災に遭うと、どうしても怒りがわくと思うのです。
――なんていうことをしてくれるんだ!
という諦めきれない怨念です。
が――
天災では、どうしようもない――
誰が、どう考えたって、どうしようもない――
――これが運命だった……。
と――
案外あっさり諦められそうな気がします。
……
……
もちろん――
実際にそうかどうかは――
その時になってみないと――
決して、わからないのでしょうが――
……
……
最近――
こんなことばかり考えてしまいます。
たぶん――
今の幸せを強く自覚しているからでしょう。
自分の境遇が――
今いかに恵まれているか――
それを強く意識すればするほどに――
その恵みの来し方が、いかに心許ないものであるのかを――
あるいは――
ちょっとした不運で、いかに簡単に失われてしまうものであるのかを――
痛感します。