以下は、著名人と親交のある方がおっしゃっていたことです。
*
一般に――
著名人を呼び捨てにすることは――
ぜんぜん珍しいことではなく、むしろ、ありふれたことであり――
あえて呼び捨てにすることで、かえって非日常の敬意を表すことになる――
との考えもある――
なので、私自身も――
著名人については――
できる限り、呼び捨てにしてきた――
が――
そのように呼び捨てにしてきた著名人と、一度でも会って直に会話を交わしてしまうと――
もう、その日から、二度と呼び捨てにできなくなる――感情的に、できなくなる――
なので――
ある時を境に、面識があろうとなかろうと、あらゆる著名人をすべて「さん」付けで呼ぶようにしてみた――
そうしたところ――
感情的には、ずいぶんとスッキリした――
が――
誰もが呼び捨てにするような別格の著名人さえも、「さん」付けで呼ぶのは――
暗に、
――自分も同じくらいの著名人である。
と威張っているようで、ひどく不遜に思えるし――
また、
――そんな著名人とも知り合いである。
と自慢をしているようで、ひどく不粋に思える――
なので――
著名人の呼び方については、本当のところは、どうしたらよいのか、今もわからない――
仕方ないので――
とりあえず、そのまま、あらゆる著名人をすべて「さん」付けで呼んでいる――
ただし――
一ついえることは――
あらゆる著名人をすべて「さん」付けで呼ぶということは――
あらゆる著名人について、この先、実際に会って直に会話を交わすことがあるかもしれない、と夢想するに等しく――
こうした夢想は、今日では、インターネットのおかげで、ずいぶんと容易になった――
*
(たしかに、そうだな~)
と思いました。