――平等
は、一見、普遍的かつ絶対的な正義なのですが――
実際には――
そうではありません。
なぜか――
実際の社会には、
――運・不運の不平等
が既存しているからです。
例えば――
たまたま裕福な地域・家庭に生まれたとか――
生まれながらに才知・容貌に恵まれたとか――
あるいは――
奇跡的に自然災害を免れたとか――
なぜかいつまでも健康でいるとか――
一つひとつ挙げていったら、きりがありません。
そういう運・不運がもたらす不平等を、人の作為によって無くす――
というのが、“平等”です。
つまり――
平等の実践には、通常――
それまで幸運であった人に損をさせ、不運であった人には得をさせる――
という意図が込められます。
この意図が、世の多数派の人々によって支持されている時には――
平等は「正義」とみなされます。
が――
そうでない時には――
「正義」とはみなされません。
平等の実践に際しては――
この点に注意が要ります