――知っているけど、いえない。
という発言は――
なるべく、したくないものですね。
――卑怯
と、誹(そし)られても仕方がないからです。
それでも――
ついつい、いってしまう――
かくいう僕とて――
例外ではありません。
……
……
いえないのなら――
それを自分が知っていることも含めて、決して口にせず――
きちんと隠し通すのがよいと思います。
……
……
いちばん望ましいのは――
知っているのか知らないのかについても一切、言及しないことです。
それが難しければ、
――知らない。
とウソをつくことも――
ときには仕方がないでしょう。
ウソも“卑怯”ではありますが――
「知っているけど、いえない」と、嘯(うそぶ)くよりは――
たぶんマシです。