マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

必要悪は本当に必要か

 ――「必要悪」の矛盾

 ということを――
 10代の頃から、ずっと気にしています。

 ……

 ……

 ――必要悪

 とは、

 ――性質としては悪であるが、現実には必要とせざるをえない事物

 です。

 少なくとも辞書的な意味は、そうです。

 が――
 曲りなりにも必要とされている事物を、「悪」の一言で片付けるのは――
 ちょっと粗暴です。

 必要とされている性質は――
 必要とされているという一点において――
 むしろ、

 ――善

 であるはずです。

 とはいえ――
 常識に照らすと、それを「善」と呼ぶには抵抗がある――どちらかというと、「悪」と呼ぶのが自然である――
 そういう事物が散見されるので、「必要悪」という言葉が生まれたのでしょうが――

 必要とされている事物の性質に、わざわざ「善」だの「悪」だのと評価を付与する意義はありません。

 それは――
 まったく余計なことです。

 必要悪は、単に、

 ――必要とされている事物

 として認識するにとどめておくのが賢明でしょう。

 ……

 ……

 実は――
 必要悪の多くは、本当は必要とされていません。

 必要とされていないにも関わらず――
 受け入れざるを得ない――あるいは、取り入れざるを得ない――

 それが――
 多くの必要悪の実相です。

 よって――
 必要悪の多くは、実際には、不可避の悪なのです。

 つまり、

 ――不可避悪

 です。