マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「臆病になるな!」「勇気をもて!」に要注意

 人間社会においては――
 ときに、

 ――「臆病になる」という勇気

 あるいは、

 ――「勇気をもつ」という臆病

 に敏感であるのがよい、と――
 思っています。

 いずれも――
 付和雷同を戒める言葉です。

 自分の周囲の人々が――
 過激に勇ましい発言を繰り返し――
 不穏で攻撃的な行動を起こしているときに――

 それに――
 安易に同調しないのは、

 ――「臆病になる」という勇気

 です。

 衝動的に同調するのは、

 ――「勇気をもつ」という臆病

 です。

 もちろん――
 安易にではなく、衝動的にでもなく――
 十分に思慮を重ねた結果としての同調なら――
 よいのです。

 大切なのは――
 自分の心が納得しうる結論を得るまで――
 自分の頭で緻密に考え抜くことです。

 ……

 ……

 厄介なことに、「臆病」や「勇気」という言葉は――
 文脈や状況によって――
 少なくとも、それらの見かけ上の意味は――
 大いに変わります。

 ――臆病になるな!

 ――勇気をもて!

 といわれたときには――
 とくに要注意です。