――何か人前で話をしてくれ。
といわれた時に――
自分が、
――もっとも話したい。
と思うことと――
聞く人たちが、
――もっとも聞きたい。
と思うこととを――
一致させられる人は――
類いまれな資質の持ち主だと思います。
たいていは――
ズレるのですよね。
自分は話したくても、聞く人たちは、そうでもなかったり――
聞く人たちは聞きたくても、自分は、そうでもなかったり――
……
……
こうした資質の持ち主は――
たぶん日頃から、
――自分は、周囲から、どのように思われているのか。
に十分に注意を巡らせていて――
かつ、その巡らせ方が適切であり――
自分が周囲から、どのように思われているのかを――
正確に把握している人です。
……
……
それを――
正確に把握するためには――
能力や感性もさることながら、
――胆力
が、もっとも必要でしょう。
よほどの豪胆でない限り――
自分が周囲から、どのように思われているのかを把握する気には――
なかなかなりません。