マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

心に“解熱剤”を

 怒りの感情は――
 事実を認識し、解釈する過程で生じます。

 例えば、

  傘の先端が自分の頭に当たりそうになった:認識
  子どもが傘を振りまわして遊んでいた:認識

  子どもが傘を不用意に振りまわして遊んでいたから――
  傘の先端が危うく自分の頭に当たりそうになった:解釈

 というような過程で――幾つかの認識を前提に解釈が成り立つ過程で――
 子どもへの怒りの感情が迸(ほとばし)る――
 といった具合です。

 よって――
 怒りの感情の表出は――
 しばしば自身の保護に役立っています。

 つまり――
 人は、自身を保護するために怒っているのですね。

 これは、心の正常な反応とみることができます。

 喩えるなら――
 体が病原体の侵入を許すと発熱をするように――

 ……

 ……

 ところが――
 心は、しばしば加減がわからないのですね。

 ときに怒り過ぎて、かえって自身を危険にさらすことになります。

 当然です。
 いつもプリプリ怒っている人には誰も近づかないし、誰も優しくはなれませんから――

 そればかりか――
 怒りに伴う精神ストレスが増強し――
 不注意から事故に遭ったり、心の病気を誘発させたりするかもしれない――

 ……

 ……

 実は――
 同じことは体にもいえて――

 体への病原体の侵入が苛烈だと――
 体は一層の発熱を試みます。

 その際――
 体は、まさに加減がわからないのですね。

 38℃くらいでやめておけばよいのに――
 39℃とか40℃にまで体温を上げて――

 体力の消耗を悪化させます。

 それを避けるために――
 体温が39℃前後になったら、解熱剤を飲んで38℃くらいに下げることが必要なのですが――

 ……

 ……

 その解熱剤と同じようなものが――
 怒り狂っている心には必要だ、と――

 僕は思っています。

 ……

 ……

 ――心に“解熱剤”を

 最近――
 僕が気に留めているスローガンです。