マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「最悪の事態」の真意

 目先の損得勘定にとらわれて――
 細心の注意を怠り、あるいは、決定的な判断を誤り――
 その結果――
 再起不能の失敗をやらかしてしまう――

 そんな話を――
 たまに見聞きします。

 ときには――
 自分自身が再起不能に陥るだけではなく――
 多くの他者を巻き添えにして陥ってしまう――
 といった悲惨な事例も――
 見聞きします。

(痛ましいなぁ)
 の一言に尽きます。

 ……

 ……

 もちろん――

 再起不能ではなく――
 再起可能であれば、よいのですよ――何の問題もない――
 その再起可能の失敗から多くを学んで貴重な糧としたらよい――

 が――
 再起不能だと――
 残念ながら――
 少なくとも本人は、何も学べないのです。

 あるいは――
 何かを学べても――
 全てが遅すぎる、とか――

 ……

 ……

 ここでいう「再起不能」とは――

 最終的には、誰かの死――
 もしくは――
 誰かの重い後遺症を指しています。

 ……

 ……

 何かに挑戦する際に――
 もっとも大切な見極めは――

 それが失敗するかしないかではなくて――
 その失敗で再起不能に陥るかどうか、です。

 失敗するかどうかなどは、ハッキリいって、どうでもよい――

 本質的に重要なのは――
 失敗した場合の損害が再起不能のレベルかどうかの判断なのです。

 ……

 ……

 欧米のエリートたちは――
 若いうちから、常に最悪の事態を考えて行動をするように叩き込まれるそうですが――

 その「最悪の事態」の中核にあるのは――
 おそらくは、

 ――再起不能の失敗

 です。