予測できる美談というのは――
いちばん面白くないのですね。
――きっと、あんな感じの“いい話”なんだろう。
と思って聞いていて――
実際に、その通りだったときは、
――なんだ、面白くない。最後まで聞いて損をした。
と感じます。
では――
何が面白いのかというと――
例えば、
――美談かな?
と思って最後まで聞いたら――
実は醜聞だった、とか――
――醜聞かな?
と思って最後まで聞いたら――
実は美談だった、とか――
こういう予想外が――
なんだかんだいって――
けっこう面白いのですね。
ですから――
美談を話したいのなら、醜聞っぽく――
醜聞を話したいのなら、美談っぽく――
話し始めるのがよいでしょう。
ただし――
……
……
美談と思わせておいて実は醜聞――
という手法は――
これを多用すると――
人に嫌われますので、注意が必要です(苦笑