マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

歴史のファンタジー化をするくらいなら

 いわゆる太平洋戦争(大東亜戦争)の歴史のファンタジー化を――
 危惧する声があります。

(たしかに、それはよくない)
 と――
 僕も思います。

 歴史のファンタジー化とは何でしょうか。

 物語は、

  舞台
  人物
  事象

 の3つの要素から成ります。

 このうち、舞台に虚構の焦点を当てるのがファンタジーです。

 よって――
 歴史のファンタジー化とは――
 ある時代における、ある国や地域に生きた人物ないし起こった事象はそのままに――
 その時代における、その国や地域の状況や情勢を大きく書き換えることです。

 具体的には――
 前後の時代との関連性を軽視するとか――
 他の国や地域との関係性を脚色するとか――

 平たくいうと、歴史の断片化および改竄です。

 歴史を断片化したり改竄したりするくらいなら――
 初めからファンタジーの物語を紡ぐのがよいのです。

 例えば――
 1940年代の日本によく似た国が――
 1940年代の東アジアによく似た地域で――
 1940年代の欧米諸国によく似た諸外国と戦う物語を――
 紡げばよいのです。