マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“練習のための練習”に安住しないために

 ――本番と練習

 というふうに――
 僕らは――
 実践の営みを安易に2種類に分類しがちですが――

 この分類を――
 あまりにもボンヤリやっていると――
 いつか、

 ――練習のための練習

 に安住するようになります。

“練習のための練習”とは――
 本番のことをそんなに明確には想定しないで臨む練習のことです。

 自己満足は得られやすいのですが――
 本番に反映される効果は未知数です。

 よって――

 そうではなくて、

 ――本番のための本番

 これが――
 理想です。

“本番のための本番”とは――
 練習を一切しないで臨む本番のことですね。

 緊迫の本番が日常となります。

 が――
 これには――
 失敗が許容されにくいという観点から――
 原理的な困難が伴います。

 もちろん――
 本番で失敗をしても、それが再起不能の失敗でない限りは、本人が失うものは何もないのですが――
 周囲に迷惑をかけるという点では、大いに悩ましいのです。

 ――そうした“迷惑”は、人の世では、なかなか許容されにくい。

 という現実があります。

 なので――
 ここは一つ現実的となって、妥協を図り、

 ――本番のための練習

 に専念するのがよいのです。

“本番のための練習”とは――
 本番のことを明確に想定して臨む練習のことです。

 いかに本番のことを明確に想定するか――
 その明確さの度合いが重要です。

 例えば――
 スポーツでいうならば、

 ――試合形式の練習

 できるだけ試合と同じ状況を作っての実践――

 これこそが――
“本番のための練習”の典型といえます。

 ――まずは基礎固めから――

 というような発想は――
 一見、堅実なようでいて――

 実際には、“練習のための練習”に安住する口実となり――
 注意が必要です。