二人が、
――カルタゴ
と、
――ローマ
直に会って話をしている――
というものです。
それも2回――
……
……
1回目はザマの戦いの直前でした。
ザマというのは――
北アフリカの地名です。
大スキピオは――
自ら軍を率いて北アフリカへ攻め入り――
この試みが奏功し――
この時点で――
それなりに寛大な和平案を提示しました。
が――
この和平案を――
ときのカルタゴの政権は、はねつけます。
どうやら、戦術の天才ハンニバルが無事に帰還したことで、がぜん強気となって――
ローマに対し、再び挑戦的かつ攻撃的な外交・戦略を展開し始めたのです。
大スキピオは和平を断念――
自ら軍を率いてカルタゴの攻略に乗り出します。
両軍は北アフリカの地ザマで対峙します。
両軍が睨み合う中――
このとき――
その求めを――
もちろん、大スキピオは拒みます。
両者が背負う国益の違いを考えれば――
決して、まとまるはずのない会談でした。
それでも二人は会った――
そこに――
二人の特別な関係を見出すことは難しくありません。
会談は、どうやら大スキピオが先に求め――
それにハンニバルが応じる形で実現したようです。
僕は――
きのうの『道草日記』で、
ということを述べましたが――
実際には、
――ハンニバルのことを深く敬愛していたのではないか。
と思っています。
一方――
ひとえに大スキピオ一人のため――
といっても過言ではありません。
それゆえに実現した会談であった、と――
僕は感じます。
その後――
ハンニバルは――
大スキピオの戦略家・政治家としての手腕だけでなく、戦術家としての手腕も――
認めざるを得なくなるのですが――
その話は、あす――