マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

桜の向こう側に

 桜をみるのが――
 日本人は好きですよね。

 が――

 桜を通して――
 何か別のものをみているのだ、と――
 僕は思っています。

 その「何か」が何なのかは――
 おそらく、人によって千差万別でしょう。

 とはいえ――
 日本人は、桜の向こう側に、何か次元の違うものをみている――あるいは、みようとしている――
 というのは――
 ほぼ異論がないように思えます。

 では、

 ――何をみているのか。

 と問われると――
 なかなかに返答には困るのですが――

 おそらくは――
 世の無常観にかかわる何か、を――
 みているはずです。

 ……

 ……

 そのことが――
 何となく、わかるようになるまで――

 僕は――
 桜のこと、心から、
(美しい)
 と感じることは――
 なかったように思います。

 小学校へ上がる前にみた桜は――
 鮮やかな桜色でしたが――

 そんなに美しくはありませんでした。