マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

国がみる夢

 ――夢は記憶に依存している。

 と――
 きのうの『道草日記』で述べました。

 これは――
 人がみる夢です。

 では――

 国がみる夢は――
 どうでしょうか。

 ……

 ……

 ここでいう「夢」とは――
 例えば、「American Dream」といった意味での「夢」ではありません。

 寝ているときにみる夢のことです。

 では――

 国にとって「寝ているとき」に相当するのは――
 どういうときでしょうか。

 ……

 ……

 ――国が、国としての働きを、ほとんど発揮していないとき

 です。

 例えば、政治は混乱し、経済は貧弱――人心は混迷を極め、誰一人、安心して暮らすことができていない――
 そんな国は、「寝ている」といって差し支えないでしょう。

 そういうときに――
 その国の民が、おそらくは総意として夢想するのが、

 ――国がみる夢

 です。

 ……

 ……

 ――夢は記憶に依存している。

 と、繰り返し、述べてきました。

 国がみる夢も、“記憶”に依存しています。

 「国の歴史」という名の記憶です。

 きのうの『道草日記』で述べたように――
 人の記憶には、願望に関係するものも関係しないものも、意識的なものも無意識的なものも、ありとあらゆるものが混在しています。

 「国の歴史」という名の記憶も、同様です。

 僕は――
 人が、夢の分析を契機に、有意義な内省を行えるように――
 国もまた、“夢”の分析を契機に、有意義な内省を行える――
 と思っています。

 もちろん、

 ――今、日本国は寝ているのか。

 とか、

 ――どこの国が寝ているのか。

 といった問題は、さておいて――