マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“格好いい”か“格好わるい”か

 カリスマの、

 ――恐ろしさ

 ないし、

 ――危うさ

 について――
 きのう・おとといの『道草日記』で述べましたが――

 カリスマの恐ろしさ・危うさといえば――

 やはり――
 アメリカのトランプ大統領のことを思わないわけにはいきません。

 カリスマについて――
 きのう次の等式を仮定しました。

  カリスマ = 格好いい + 頼りない + 照れない

 実際には、足し算ではなく、

  カリスマ = 格好いい × 頼りない × 照れない

 という掛け算の等式のほうが――
 より現実に近いと考えます。

 “照れない”の項については、間違いなく、最大値でしょう。

 ときに、

 ――厚顔無恥

 との誹りを受けるくらいですから、異論はないと思います。

 “頼りない”の項についても、異論は少ないでしょう。
 政治家としての実績が、大統領就任前には皆無であったことが、大いに影響していると思います。

 これら2点は、トランプ大統領への好き嫌いを越えて、幅広く共有されているでしょう。

 問題は、“格好いい”の項です。

 あの方の人となりや政治手法を、

 ――格好いい

 と感じられるかどうか――

 ……

 ……

 先日――
 北朝鮮に拘束されていた3人のアメリカ人が、ポンペオ国務長官の訪朝に伴って解放され、ワシントン郊外の空港に降り立ちました。

 トランプ大統領が自ら出迎えた様子は、広く報道されましたが――
 その出迎えを受けた3人のアメリカ人は、いずれも移民のようでした。

 トランプ大統領の移民への施策は周知の通りです。

 ――何とも皮肉の利いた政治ショーとなった。

 との指摘が相次いだようですが――

 このことを、

 ――格好いい

 とみるか、

 ――格好わるい

 とみるか――
 その判断は、思ったほどには易しくないでしょう。

 ……

 ……

 ちなみに――

 知人のアメリカ人女性は――
 このニュースを僕が伝えるまで知らなかったのですが――

 僕が伝えるなり――
 大笑いしていました。

 彼女は、トランプ大統領のことが大嫌いです。

 とはいえ――
 トランプ大統領のことが大好きなアメリカ人も――
 少なからずいるわけで――

 ……

 ……

 そんな人たちが、あの政治ショーをどうみたのかは――
 いま一つ判然としません。

 ――ふだんは自分のメンツに精一杯こだわるのに、この重大な局面では、こだわらなかった。格好いい。

 とみた人が――
 いなかったとも限りません。