マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

感情の安全保障(4)

 ――感情の安全保障

 という考え方と紛らわしいものに、

 ――感情の災害対策

 があります。

 「感情の安全保障」が、

 ――自分や自分たちの感情が誰かによって不当に操作されないこと

 であるのに対し――
 「感情の災害対策」は、

 ――自分や自分たちの感情が著しく変化した場合に、できるだけ損害を被らないこと

 であるといえます。

 感情の災害対策では――
 自分や自分たちの感情が変化をするのは仕方がない、と――
 割り切ります。

 割り切った上で――
 その感情の変化をどのように受け止め、乗り越えていくか――

 そうした発想がカギを握ります。

 ちょうど――
 台風や地震などの自然災害に対する備えと同じ発想です。

 自然災害は避けられませんよね。

 とはいえ――
 自然災害に遭っても、できるだけ損害を被らないように、事前に十分な対策をとった上で――
 上手にやりすごしていくことが肝心です。

 感情についても――
 同じことがいえます。

 ……

 ……

 感情の災害対策と感情の安全保障と――

 どちらも――
 感情が原因での取り返しのつかない失敗を避けることが第一の目的ですが――

 それぞれの感情に対する向き合い方は――
 まったく違います。

 感情の災害対策では――
 感情の変化を、

 ――天災

 とみなします。

 感情の安全保障では――
 感情の変化を、

 ――人災

 とみなします。