マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

恋と愛とを区別できるようになるには

 ――恋に賞味期限はない。

 と思う人は――
 おそらく、恋が満たされる充足感と愛を全うできる幸福感とを混同しているのでしょう。

 恋は体の無意識的な反応であり――
 愛は心の意識的な志向です。

 体の反応は――
 寝たら眠気がとれるように――
 食べたら空腹がなくなるように――
 いずれは終わってしまいますが――

 心の志向は――
 本人が意識してやめない限り――
 いつまでも続きます。

 その意味で――
 愛に賞味期限はありません。

 このことが――
 恋に賞味期限がないかのような錯覚を生むのですね。

 無理もないことです。

 恋が満たされる充足感も――
 愛を全うできる幸福感も――
 どちらも深くて強い喜びを伴います。

 よって――
 これらを混同してしまうのは、きわめて自然です。

 ……

 ……

 では――

 これらを区別できるようになるには――
 どうしたらよいでしょうか。

 ……

 ……

 経験を積むのが一番です。

 恋が満たされて、愛を全うした経験や――
 恋は満たされたけれど、愛は全うしなかった経験――

 あるいは――
 恋が満たされず、愛も全うできなかった経験や――
 恋は満たされたけれど、愛は全うできた経験――

 こうした経験を――
 何回か繰り返すことが――

 最も効果的です。

 ……

 ……

 何回か繰り返すうちに――
 何となく、わかってくるものです。

 何となく、わかってきてからも――
 さらに何回か繰り返していくと――

 やがて――
 思いのほかハッキリと、わかってきます。