――道徳の本態は“欲求の制御”ではないか。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
このことが端的に示すのは、
――道徳は欲求に従属している。
ということです。
そして、
――道徳は、特定の欲求に従属した概念として、特異的に成り立ちうる。
ということでもあります。
あえて数学らしく記せば、
――道徳は欲求の関数である。
となり――
あえて数式らしく記せば、
道徳 = 道徳(欲求)
となります。
……
……
ちょっと抽象的すぎて――
わけがわからないかもしれませんね。
例えば――
承認欲求を例にとりましょうか。
承認欲求は――
きのうの『道草日記』でも触れたように、
――社会的ないし心理的な欲求
に分類されます。
簡単にいうと、
――社会の中で、自分の存在感を幅広く認められようとする欲求
のことです。
この欲求は――
あくまで社会的ないし心理的な欲求――すなわち、“欲求の支持”――です。
承認欲求という“欲求の支持”の対象は、どんな欲求でしょうか。
もちろん――
ここでいう「欲求」とは――
本物の欲求――きのうの『道草日記』で述べたように、生物的ないし生理的な欲求――のことです。
……
……
承認欲求の“支持”の対象は――
おそらくは、
――生物界の中で、自分だけは、どうにかして生き残ろうとする欲求
です。
――闘争欲求と逃避欲求とが混然一体となって生じる生存欲求
と理解することができます。
きのうの『道草日記』で示したように――
欲求は、以下のように図式化されうると考えられます。
欲求
↓↑ ← 欲求の制御
欲求の支持
よって――
承認欲求に関して図式化すると、
生存欲求
↓↑ ← 生存欲求の制御
承認欲求
となります。
ここでいう「生存欲求の制御」とは、
――生存欲求の関数としての道徳
です。
あえて数式らしく記せば、
道徳 = 道徳(生存欲求)
となります。
以上を――
あらためて図式化すると、
生存欲求
↓↑ ← 道徳(生存欲求)
承認欲求
です。