――サディズムのわかりにくさ
を端的に言い表すなら、
――加虐嗜好と生殖欲求との接点がみえない。
である――
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
加虐嗜好は、当然ながら、背徳です。
しかも――
その背徳は――
サディズムの文脈では、通常――
生殖欲求の関数であることが自明です。
よって、
猥褻 = 色気 × 背徳(生殖欲求)
の数式に照らせば――
サディズムは、いわゆる、
――猥褻(わいせつ)
であるといえます。
が――
そこに、サディズムの本質はありません。
サディズムの本態は、
――加虐性欲
であると考えられています。
つまり、
――加虐嗜好が生殖欲求を直に醸し出すこと
です。
人の生殖欲求を醸し出すのは、
――色気
の感覚でした。
ということは――
サディズムにおいては、色気が加虐の関数になっているのですね。
数式らしく記せば、
色気 = 色気(加虐)
となります。
ここで見逃せないのは、
――猥褻も背徳も、サディズムとは直接的には関係がないらしい。
という点です。
サディズムといえば――
背徳や、背徳の極みである悪徳が、一見、中心的な概念のように思われますが――
本質的には――
サディズムは、背徳とは無縁の概念であり――
ひいては、猥褻とも縁遠い概念であるのです。
猥褻は――
サディズムにおいては――
あくまで、副産物にすぎません。