マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

若さの享楽、老いの残酷

 人の若さの輝きを――
 人が、本当の意味で、感知し、理解するのは――
 それを、自分が、

 ――失った。

 と自覚したときである――

 という考え方を――
 きいたことがあります。

 人の若さの輝きが、自分にもあると思っているうちは――
 その若さの輝きを、人は、真の意味では感じられていないし、わかってもいない――

 ……

 ……

 古来――
 人が無意識に追い求めてきた、

 ――不老不死

 の憧れは――
 そうした人の若さの輝きを痛感するところから始まったに違いありません。

 やがて――
 古代社会の一部の権力者たちが――
 意識的に、

 ――不老不死

 の憧れを追い求めるようになったわけですが――

 そうした権力者たちは――
 いずれも――
 自分自身が若さの輝きを失ったことを自覚したあとで、

 ――不老不死

 の憧れを追い求めたはずです。

 ……

 ……

 このことを――
 さて、

 ――若さの享楽

 と呼ぶのがよいのか――
 それとも、

 ――老いの残酷

 と呼ぶのがよいのか――

 ……

 ……

 いったい、どちらなのでしょうかね。