――不安
や、
――情熱
などの人の感情は――
正負の要素とが入り乱れている――
というようなことを――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
不安や情熱に限らず――
人の感情は正の要素と負の要素とが複雑に組み合わさっています。
ここでいう、
――感情の正の要素
とは、
――個体の生存や種の存続にとって有利な要素
という意味で、
――感情の負の要素
とは、
――個体の生存や種の存続にとって不利な要素
という意味です。
このような正負の要素が入り乱れていることを意識した上で――
僕は、
(人の感情は、ゴツゴツした岩のようなものである)
と考えています。
表面がデコボコしていて扱いにくい――
それが人の感情です。
そのような“岩”が少しでも扱いやすくするために――
デコボコの表面に“膠(にかわ)”を塗る――
その“膠”が、人の思考です。
この「思考」は、
――理屈
や、
――論理
にいいかえてもよいでしょう。
しばしば、思考を“岩”のようにみなし、感情を“膠”のようにみなす風潮があります。
実態は逆です。
人は、「思考」という名の膠を緩衝剤にして、「感情」という名の岩を積み上げながら――
日々の精神生活を送っているのです。