――親を大切にしない人は、人を大切にしない人である。
という考え方があります。
(まあ、そうだろうな)
と――
直感的には思えますが――
では、
――なぜ、そういえるのか。
と理詰めで訊かれると――
答えに窮するかもしれません。
皆さんは――
窮せずに答えられますか。
……
……
僕は――
その理由を、
――親子関係の異質性
に求めています。
きのうの『道草日記』で述べた“親子関係の異質性”です。
この「異質性」は――
人知を越えているという意味で、
――超越性
といってもよい――
ということは――
きのうの『道草日記』で述べた通りです。
親との関係は、他の関係――例えば、友人家系や師弟関係、あるいは、恋人関係や夫婦関係など――と比べると、あまりにも人知を越えているがゆえに――
かえって、そこにこそ、対人関係の本質が潜んでいるのではないか――
という直感ないしは直観です。
……
……
いま、
――親との関係
と述べました。
ということは――
ここでいう「親子関係」とは、「親との関係」のみを指し、「子との関係」は指さないのか――
という疑問がわきますね。
……
……
僕は、
(「親との関係」のみを指す)
と考えています。
少なくとも――
対人関係の本質が潜んでいるのは、親との関係だけであって、子との関係には潜んでいない――
なぜ――
そういえるのか――
……
……
子のない人は、ありうるけれど――
親のない人は、ありえないからです。
人は――
この世に生を受けた以上は――
必ず親をもつのです。