マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

変化か反応か、個体か生態か

 疫病について――

 十分に厳密に考えるなら、

 

     個体 生態

  変化  ⑤   ⑥ 

  反応  ⑦   ⑧ 

 

 という4分割表を用いるのがよい――

 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 

 この表でいう「変化」とは、感染が直接的にもたらす変化であり、「反応」とは、感染が間接的にもたらす変化です。

 

 例えば――

 誰かが感染をして、

 ――このまま自分は死ぬのではないか。

 と不安に思うのは変化です。

 

 上の4分割表では「⑤」に当てはまります。

 

 一方――

 そのように不安に思い、少しでも生き残る可能性を高めようと――

 ネットで情報を検索したり、かかりつけ医に相談したりするのは反応です。

 

 また――

 そのように不安に思うあまり、自暴自棄になって――

 自分がもっているであろう病原体を周囲に伝染させようとするのも反応です。

 

 これらは――

 上の4分割表では、いずれも「⑦」に当てはまります。

 

 あるいは――

 大勢の人たちが同時に感染をして――

 医療機関が対応しきれないくらいに受診者が集中することは変化です。

 

 上の4分割表では「⑥」に当てはまります。

 

 一方――

 そのように受診者が集中するのを防ぐために――

 軽症者は医療機関が対応しないで済むような体制をとることは反応です。

 

 また――

 そのように受診が集中した結果――

 助かる可能性が低くなかった重症者まで大勢なくなることも反応です。

 

 これらは――

 上の4分割表では、いずれも「⑧」に当てはまります。

 

 何がいいたいのかといいますと――

 

 感染がもたらす変化は、基本的には不可避であり、制御は困難であるが――

 感染に対する反応は、わりと制御は容易であり、場合によっては不可避でもない――

 ということです。

 

 そして――

 そのような変化ないし反応は、個体に起きていることなのか生態に起きていることなのかを、つねに分けて捉える必要がある――

 ということです。