マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

疫病の“生態的次元”

 ――疫病には3つの次元がある。

 という話をききました。

  1)身体的次元

  2)精神的次元

  3)社会的次元

 の3つです。

 

 ――身体的次元

 とは、感染症が人の身体にもたらす不具合を指します。

 具体的には、症状・徴候です。

 

 ――精神的次元

 とは、感染症が人の精神にもたらす悪影響を指します。

 具体的には、不安や恐怖です。

 

 ――社会的次元

 とは、感染症が人の社会にもたらす不安定を指します。

 具体的には、差別や争乱です。

 

 ――これら3つの観点ごとに整理して考える必要がある。

 というのが、

 ――疫病には3つの次元がある。

 の話の骨子です。

 

 この話をきいて――

 一度は、

 (なるほど――)

 と思ったのですが――

 

 すぐに、

 (何かが足りない)

 と直感しました。

 

 2日ばかり考えて、

 (そうか)

 と直観しました。

 

 (“社会的次元”を1つにまとめてしまっている)

 ということです。

 

 ……

 

 ……

 

 僕は――

 疫病は「2×2」の4分割表で理解をするのがよいと考えます。

 

 例えば、

 

     個人 社会

  身体  ①   ② 

  精神  ③   ④ 

 

 の4分割表です。

 

 冒頭で触れた3つの次元のうち――

 「身体的次元」に相当するのが「①」で――

 「精神的次元」に相当するのが「③」で――

 「社会的次元」に相当するのが「④」です。

 

 (「②」が抜けてしまっている)

 というのが――

 僕の懸念でした。

 

 ……

 

 ……

 

 「②」は、強いていえば、

 ――生態的次元

 でしょう。

 

 この次元の考察は――

 いわゆる「社会」を、

 ――生物種であるヒトの生態

 とみなすことから始まります。

 

 この『道草日記』で――

 僕は、しばしば、

 ――「社会」とは「ヒトの生態」である。

 と述べています。

 

 この見解は、決して僕の独創ではありませんが、そんなに一般的でもありませんので――

 ひとまず、

 ――疫病には3つの次元がある。

 ということを前提に考えを進めてもよいとは思いますが――

 

 (疫病について厳密に考えるなら、“生態的次元”は無視できない)

 とも思います。

 

 ……

 

 ……

 

 いわゆる新型コロナ・ウイルス感染症の対策では、

 ――すべての国民が他者との日常的な接触を2割に減らせたら、感染は1か月で収束する。

 との分析がなされています。

 ――仮に0割にできたら、感染は半月で収束する。

 ともいわれています。

 

 ことの正否はともかく――

 この種の観点が、

 ――生態的次元

 といえます。