――感染はともかく、感染症は病原体が直接の原因とはいいにくい。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
では――
何が感染症の直接の原因かといいますと、
――個体の免疫の異常
です。
――免疫
は、一般には、
――個体が自身の内部の異物を排除する働き
と説明されます。
その働きの一環として――
例えば、
――炎症
と呼ばれる反応が個体の各部位で発生し――
それが感染症に特有の症状・徴候として表面化するのです。
こうした免疫は、普段は個体が不利にはならない程度に、そこそこ穏やかに発現するのですが――
なかなか異物を排除できないような場合には、個体が深刻に不利になる程度に、かなり激しく発現します。
わかりやすい例を一つ出しましょう。
肺に炎症が起こることを、
――肺炎
といいます。
肺に異物が混入し、なかなか排除されない場合には、個体は肺において躍起になって免疫を発現しようとし、ついには肺の機能を損ねてしまいます。
炎症は反応の副産物として液体を発生させるのですが、その液体に肺が満たされ、まるで溺れるかのように窒息してしまうことがあるのですね。
このような場合に――
肺に混入した異物が、肺炎の発生の契機であるとはいえますが――
では――
肺炎の発生の直接の原因であるといえるかと問われれば――
(う~ん、どうだろう?)
となってしまいます。
むしろ、
(免疫の過剰な発現こそが、直接の原因でしょう)
と、いいたくなる――
――感染症の直接の原因は、病原体ではなく、個体の免疫の異常である。
というのは――
そういう意味です。