――感染症の直接の原因は、病原体の侵入・定着ではなく、免疫の異常である。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
このことは――
もちろん――
病原体が感染症と無関係である――
ということを意味しているわけではありません。
病原体は、少なくとも、感染症の契機にはなっています。
つまり、
――感染症の直接の原因は免疫の異常であって、病原体の侵入・定着ではないが、感染症の間接の原因は病原体の侵入・定着である。
ということです。
要するに、
病原体の侵入・定着
→ 免疫の異常
→ 感染症
ということですね。
が――
ふつうは、
病原体の侵入・定着
→ 感染症
ということにされがちです。
そのほうが断然わかりやすいことは確かですが――
実態は、少し違うのです。
この点に――
感染症のことを考える際は――
まず、留意をする必要があります。
ちなみに――
……
……
病原体の侵入・定着
→ 免疫の異常
→ 感染症
の流れを踏まえる上で、大切なことが2つあります。
1つは、病原体の侵入・定着を防ぐことは、けっこう難しい、ということ――
もう1つは、免疫の異常を防ぐことは、そんなには難しくない、ということ――
です。
病原体は、ふつうは目にみえません。
そして、夥(おびただ)しい数から成っています。
それらを1つ残らず弾き出すことは、感覚的にも確率的にも、まず不可能です。
免疫の異常は、個体に備わった原始的な働きです。
それに異常をきたさないようにするには、とにかく個体に余計な負荷をかけないことです。
ここでいう「余計な負荷」とは、休養不足や栄養不足です。
では――
病原体の侵入・定着を防ぐこととして、よく指摘されることは、何か――
――手洗い、うがい、マスク
です。
この場合の「マスク」とは、すでに感染症を発している人がマスクをつけることであり、まだ感染症を発していない人が病原体から身を守るためにマスクをつけることではありません。
いずれにせよ、どんなに手洗い、うがい、マスクを徹底しても、病原体の侵入・定着を完全に防ぐことは不可能です。
一方――
免疫の異常を防ぐこととして、よく指摘されることは、何か――
――睡眠、食事
です。
表面的には、十分な時間の睡眠や十分な量の食事を毎日、規則正しくとる、ということですが、もう少し踏み込んでいえば、例えば、仕事を頑張りすぎないとか、休日のスケジュールを詰め込みすぎないとかいうことです。
これは、自分自身が、その気になりさえすれば、すぐにでも、誰にでも、確実に実行できることです。