暗黒物質(dark matter)と“生命の謎”との関連の可能性について――
きのうの『道草日記』で述べました。
きょうは、
――暗黒エネルギーと“生命の謎”との関連
です。
……
……
――暗黒エネルギー
は、英語の、
――Dark energy
の訳語です。
――宇宙が加速的に膨張をしていることの説明に必要な概念であり、宇宙を押し広げようとしていると考えられるエネルギー
を指しています。
太陽のような恒星が核融合反応を終えて残骸――白色矮星――になると、爆発を起こすことがあります。
いわゆる超新星の一種です。
この種の超新星を対象に、電磁波を用いる観測を行うと――
この宇宙は、たんに膨張をしているのではなく、加速的に膨張をしていることが示されました。
このような宇宙の加速的な膨張は――
電磁波で検出が可能な物質――通常の物質――だけでは、説明がつかないといいます。
電磁波で検出が不可能な物質――暗黒物質――を加えても、説明がつかないのだそうです。
よって、
――この宇宙の空間には、通常の物質でも暗黒物質でもない存在がエネルギーとして充填をされていて、それが宇宙に加速的な膨張をさせている。
との考えが提唱をされるに至りました。
――その実在性は疑いようがないものの、その正体は不明である。
という点は、
――暗黒物質
と同様です。
――暗黒物質
は、すでに1930年代に提唱をされていました。
一方、
――暗黒エネルギー
が提唱をされたのは、1990年代の終わり頃です。
――暗黒物質
よりも、かなり新しい概念といえます。
この、
――暗黒エネルギー
は、宇宙の空間に満遍なく充填をされていると考えられていますから――
当然のことながら――
僕らの周囲にも充填をされているはずです。
よって、
――生命の謎
と絶対に関わっていない、とは――
なかなか、いいきれません。
注目をするべきは、
――暗黒エネルギー
の量です。
現代物理学では、質量とエネルギーとは等価であると考えます。
通常の物質も暗黒物質も、エネルギーへの換算が可能なのです。
よって――
この宇宙に存在をする通常の物質、暗黒物質、暗黒エネルギーの存在比率を見積もることができます。
その見積もりによると、
――暗黒エネルギー
は、宇宙全体のエネルギーの約70%を占めます。
――暗黒物質
は、宇宙全体のエネルギーの30%弱を占め、
――通常の物質
は、宇宙全体のエネルギーの僅か3%強しか占めていません。
つまり――
この宇宙の大部分は、
――暗黒エネルギー
で構成をされているといってよいのです。
――暗黒エネルギー
が、
――生命の謎
と――
たとえ直接的には関わっていなかったとしても――
どこか遠いところで、間接的に関わっている可能性は――
誰にも否めないでしょう。