――生命の謎
や、
――知性の謎
について考えるのに、
――生命
や、
――知性
しか対象としないのは、ちょっと、おかしいのではないか――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
――宇宙の謎
や、
――地球の謎
についても考える必要がある――
ということです。
この主張は、例えば、
――生命科学者も、宇宙論や天文学、地球科学などの研究に参加をするのがよい。
ということではありません。
現代科学の研究の現場において――
そんなことは、とうてい不可能です。
が、
――宇宙論や天文学、地球科学などによってもたらされた知識や理解には、少なくとも一般教養的なレベルでは、関心を払うのがよい。
ということではあります。
例えば――
宇宙論や天文学などの領域で、ほぼ確証的に定式化をされている未知の概念――例えば、暗黒物質や暗黒エネルギーの概念――を知らずに、
――生命の謎
について考えたり――
地球科学などの領域で、深海の熱水噴出孔の存在――あるいは、その熱水がもたらすエネルギーに依存をしている生態の存在――を知らずに、
――生命の謎
について考えたりするのは――
不毛である――
ということです。
暗黒物質や暗黒エネルギーは――
この宇宙に存在をする全ての物質やエネルギーにおいて、主要な割合を占めていると考えられています。
よって――
地球上で生命に関わっている物質やエネルギーと、少なくとも間接的に関わっている可能性は、ゼロではないのです。
また――
深海の熱水噴出孔は、太陽のエネルギーが殆ど届かない深海に豊かな生態を保っていると考えられています。
よって、地球上で生命が誕生をしたのは、必ずしも太陽がもたらしたエネルギーの直接的な恩恵によるとはいえないのです。