――なんで勉強しなきゃいけないの?
という疑問(ぎもん)に対し、ごく簡単(かんたん)に答えるならば、
――自分の“考えの流れ”を自分以外の人たちにも受け入れてもらうため――
である――
と、きのう、のべました。
これが、
――なんで勉強しなきゃいけないの?
という疑問に対する答えの中心である、と――
ぼくは思っています。
が――
ちょっと、変わった答えですよね。
少なくとも、ふつうっぽくはない答えです。
では――
もう少し、ふつうっぽい答えを挙げるとしたら――
どうでしょうか。
次のような答えもありです。
――よい仕事につくため――
……
……
このような答えなら――
あなたも、学校や家庭で、きいたことがあるでしょう。
もし、きいたことがなくても――
この先、きっと、あると思います。
……
……
これら2つの答え――
――自分の“考えの流れ”を自分以外の人たちにも受け入れてもらうため――
という答えと、
――よい仕事につくため――
という答えとは――
一見、まったく関係がないようですが――
実は関係があるのです。
この世の中の人たちの多くは――
昔から、
――自分の“考えの流れ”を自分以外の人たちにも受け入れてもらうことが得意(とくい)である人に、大切な仕事を任せたい。
と考えてきたのですね。
いいかえると、
――自分の“考えの流れ”を自分以外の人たちにも受け入れてもらうことが苦手であり、いつも自分勝手に仕事をするような人に、大切な仕事は任せたくない。
ということです。
よって――
多くの国々(くにぐに)では――
子どものころから勉強を熱心に続け、自分以外の人たちの“考えの流れ”を受け入れ続けることで、自分の“考えの流れ”を自分以外の人たちにも受け入れてもらいやすくなっている人に、大切な仕事を優先的に任せる仕組みが――
採り入れられています。
簡単にいうと、
――勉強ができる人に大切な仕事を任せる仕組み
です。
その意味で、
――勉強をすれば、よい仕事につける。
というのは――
本当のことです。
『10 歳の頃の貴方へ――』