――どうしたら結婚(けっこん)できるの?
と問いかけることによって――
その人が恋愛(れんあい)の経験(けいけん)を十分に積んでいるかどうかが、わかる、と――
きのう、のべました。
恋愛の経験を十分に積んでいない人は、
――そのうちに結婚できる。
と答え――
恋愛の経験を十分に積んでいる人は、
――う~む。
と考えこんでしまう、と――
……
……
ここで気をつけたいことは、
――結婚をしているからといって、恋愛の経験を十分に積んでいるとはかぎらない。
ということです。
恋愛の経験を十分に積んでいるかどうかは、
――どうしたら結婚できるの?
と聞かれたときの答え方をみてみないと、わからないのであって――
結婚をしているかどうかとは、直接(ちょくせつ)の関係はない――
ということです。
結婚をしていても、恋愛の経験を十分に積んでいない人は、たくさんいます。
結婚をしていなくても、恋愛の経験を十分に積んでいる人は、たくさんいます。
あるいは――
結婚と離婚(りこん)とを何回かくりかえしていても、恋愛の経験を十分に積んでいない人はいますし――
一度も結婚をしたことがなくても、恋愛の経験を十分に積んでいる人はいます。
なぜ、そうなるのか――
……
……
それは、
――恋愛の経験を十分に積む。
ということが、どういうことなのかを知れば――
よくわかります。
――恋愛の経験を十分に積む。
とは、
――恋愛の難(むずか)しさを知る。
ということに、ほかなりません。
つまり、
――恋(こい)を愛で包むことの難しさを知る。
ということ――
もう少し、くわしくいうと、
――自分が恋をしている人のことを大切にするには、我慢(がまん)が必要であることを知る。
ということ――
あるいは、
――自分に恋をしている人のことを大切にするには、覚悟(かくご)が必要であることを知る。
ということ――
そして――
そうした我慢や覚悟が、どうして必要なのか――
ちょっと考えただけでは、よくわからないのですね。
かなり深く考えないと、わからない――
そして――
本当に、自分で我慢をしてみたり覚悟をしてみたりしないと、わからない――
そして――
その我慢や覚悟が必ずしも報(むく)われるわけではないことも知っていないといけない――
……
……
恋愛は、きちんとしようと思ったら、かなり大変です。
が――
いいかげんにしようと思ったら、そんなに大変ではないのです――わりと楽にできてしまいます。
『10 歳の頃の貴方へ――』