きのうは問題3の解(と)き方について、のべました。
きょうは問題4の解き方について――
問題4は、次の通りでした。
*
問題4
辺ABの長さが 10 cm で辺BCの長さが 20 cm である長方形ABCDがある。ただし、点A、B、C、Dは反時計回りに並(なら)んでいる。いま、辺DAの上に点Eをとり、点Cと点Eとを結ぶ線と対角線BDとの交点をFとする。角ABFと角BCFとが同じ大きさであるとき、三角形CDFの面積を求めよ。
*
この問題を、どのように解くのか――
*
角ABFの大きさと角BCFの大きさとを、ともに「〇」で表すと――
角CBFの大きさや角DCFの大きさは、ともに「90 ° − 〇」で表されるので――
これらを、ともに「✕」で表すと――
〇 + ✕ = 90 °
である――
辺ABと辺CDとは平行であるから――
角CDFの大きさは角ABFと同じ「〇」であるとわかるので――
三角形CDFについて、角CFDは、
180 ° −(〇 + ✕)
= 90 °
とわかる――つまり、三角形CDFは直角三角形とわかる――
よって――
直角三角形CDBに注目をすると――
直角三角形CDFは、直角三角形CDBと同じ形・違(ちが)う大きさの直角三角形であるとわかる――
また――
直角三角形CEDに注目をすると――
直角三角形CDFは、直角三角形CEDと同じ形・違う大きさの直角三角形であるとわかる――
よって――
直角三角形CEDは、直角三角形CDBと同じ形・違う大きさの直角三角形であるとわかる――
よって――
直角三角形CEDについて、辺CDの長さと辺DEの長さとの比(ひ)は、2 : 1 とわかる――
辺CDの長さは 10 cm であることから――
辺DEの長さは 5 cm であるとわかる――
よって――
辺BCの長さが 20 cm であることから――
辺EFの長さと辺FCの長さとの比は、1 : 4 とわかるので――
直角三角形CDFについて、辺CDを底辺とみるときに、その高さは、辺DEの長さの 5 分の 4 とわかる――
よって――
直角三角形CDFの面積――つまり、三角形CDFの面積――は、
10 × 5 ×( 4/5 )÷ 2
= 20 cm^2
とわかる――
*
問題4の解き方は、問題3の解き方に、よく似(に)ています。
これは――
どちらの問題でも、別々(べつべつ)の2つの角について、「同じ大きさ」との条件が付けられていることによります。
――同じ――
と、いわれると――
つい――
それらに注意を向けたくなるものです。
問題4が問題3と違うのは――
直角三角形DEFと直角三角形BCFとが成す「砂時計(すなどけい)」型(がた)の形についてです。
この「砂時計」型の形が――
問題4では、はっきりと示(しめ)されているのですが――
問題3では、はっきりとは示されていません――示されているのは、「砂時計」型の形の一部です。
いいかえると――
この「砂時計」型の形の一部から、その全部を思いうかべれば――
問題3も、問題4と同じように解けるのですね。
ちなみに――
この「砂時計」型の形の一部は、問題1や問題2でも示されています。
そのことに気づけば――
問題1も問題2も、問題4のように解くことができるのは、いうまでもありません。
『10 歳の頃の貴方へ――』