マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

禍福

 ――禍福(かふく)は糾(あざな)える縄の如し。

 という。

 

 原典は、中国の正史『史記』に求められるそうだ。

 

 その『史記』の成立は、前漢の頃――紀元前2世紀から紀元前1世紀までの頃――というから――

 かなり古い。

 

 人の世の在り様は、この 2,000 ~ 3,000 年の間、まったく変わらぬ。

 

 ……

 

 ……

 

 ――幸せ

 は定義が難しい。

 

 よって、

 ――不幸せ

 にこそ――

 着目をするのがよい。

 

 ――禍福

 でいえば――

 

 ――福

 ではなく――

 

 ――禍(か)

 にこそ――

 着目をする――

 

 ……

 

 ……

 

 ――福

 とは、単に、

 ――禍がない

 ということ――

 あるいは、

 ――禍が少ない。

 ということ――

 

 つまり、

 ――福

 とは、

 ――不禍(ふか)

 である。

 

 ――禍不禍(かふか)は糾える縄の如し。

 

 ……

 

 ……

 

 蓋(けだ)し、

 ――禍不禍

 とは――

 それをあえて自然科学風にいえば、

 ――禍

 を振幅とする波である。

 

 つまり、

 ――禍不禍は波の随(まにま)に漂うが如し。

 

 こちらの方が、しっくりとくる。

 

 (禍福は糾える縄の如し?)

 

 いやいや――

 禍福は波の随に漂うが如し――

 

 『随に――』