――幸せ
の概念は――
実は、定義不能ではないか――
定義可能なのは、
――不幸せ
の概念だけではないか――
そう思う。
つまり、
――幸せ
とは、単に、
――不幸せでない
というだけのこと――
……
……
それならば――
――不幸せ
の定義は、どうするか。
……
……
――幸せ
とは、
――波の随（まにま）に巧く漂う様子
と――
きのうは述べた。
が――
そうではない。
――波の随に漂えず、抗い続け、疲れ果ててしまう。
それが、
――不幸せ
だ。
よって――
その否定――つまり、
――波に抗い続けて疲れ果ててしまうことがない様子
これこそが、
――幸せ
ということになる。
……
……
――幸せ
を探すから、わからなくなる。
まず、
――不幸せ
を探し出し――
その対義を、
――幸せ
と思えばよい。
そうすれば、
――幸せ
は難しくない。
『随に――』
