マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

幸せ

 人生の要点は、

 ――随(まにま)に――

 の是非にしかないのではないか――

 と疑っている。

 

 人は自分が何らかの意思をもって生きていると思っているが――

 それは誤解であり――

 実は、大した意思をもっていない――

 

 もっているのは、せいぜい、

 ――成り行き

 に任せるか否か――

 

 ……

 

 ……

 

 ここでいう、

 ――随に――

 とは、

 ――ことの成り行きに任せるさま

 をいう。

 

 ――随に――

 を是とすれば――

 成り行きに任せて生きる――

 

 ――随に――

 を非とすれば――

 成り行きに抗って生きる――

 

 これら2つの途(みち)のほかに――

 いったい何があるというのか。

 

 ……

 

 ……

 

 人は、

 ――世相

 という名の“波”に揺られる一枚の“木の葉”に過ぎぬ――

 

 まさに“波の随に漂い”生きる者こそ、人である――

 

 ……

 

 ……

 

 これを認めれば――

 人生が少し楽になる。

 

 例えば、

 ――幸せとは何か。

 を考えなくなる。

 

 幸せとは“波の随に巧く漂う”ことをいう。

 力を抜き、体を横たえ、心穏やかに揺られ行く――

 

 それだけのことではないか――

 

 そう疑っている。

 

 『随に――』