この国の今を指して、
――治世か乱世か。
と問えば――
殆どの人は、
――治世
と答えるだろう。
――治世
とは、
――太平に治まっている世の中
で、
――乱世
とは、
――戦乱に明け暮れている世の中
だ。
たしかに――
この国の今は、
――治世
といえる。
が――
この国の外へ目を向けたら、どうか。
この世の各地で戦乱が絶えぬ。
ヨーロッパの東――
アジアの西――
現に今も戦乱に明け暮れている。
この世は今、
――乱世
だ。
この国の内は、
――治世
だが――
この国の外は、
――乱世
だ。
そこを見間違えると――
この国の行き先も見間違える。
『随に――』