マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

教育の主眼

 ――思考の視野

 の、

 ――奥行(おくゆき)

 を深めるには――

 

 ――意志

 を強く、久しく、保つことである。

 

 何の意志か。

 

 ――思考の意志

 である。

 

 ――意志

 といえば――

 普通、

 ――行動の意志

 を指す。

 

 むろん、

 ――行動の意志

 は大事だ。

 

 が――

 

 今は措く。

 

 今は、

 ――思考の視野

 を説いている。

 

 ……

 

 ……

 

 ――思考の意志

 を以て、

 ――意思

 という。

 

 ――意思

 とは――

 人が思考をやめようとせぬ心持ちを指す。

 

 ――意思

 を逞しく、弛(たゆ)まずに持つことで――

 

 ――思考の視野

 は、

 ――奥行

 を得る。

 

 人が、

 ――意思

 を持つ性質は――

 おそらくは、先天的ではなくて、後天的である。

 

 人は――

 一部の天賦の智者を除き――

 ――教育

 によって、

 ――意思

 を持つ。

 

 どんなことがあっても、思考を強かに、かつ途切れさせることなく、続けていく――

 そうした、

 ――思考をする癖

 を身につけさせることが――

 真の、

 ――教育の主眼

 である。

 

 むろん、

 ――常識

 という名の、

 ――基本的な知識や理解の体系

 を習うことは大事だ。

 

 が――

 それら習ったことの全てを――

 いったんは忘れるのがよい。

 

 20世紀の理論物理学アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)は――

 次のように述べた。

 

 ――Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school.(教育とは学校で習ったことを忘れた後に残っていることである)

 

 その「what remains(残っていること)」が具体的に指していることこそ、

 ――思考をする癖

 であろう。

 

 『随に――』