人の怒りは、不安で着火するものですが――
不安だけでなく――
たいてい、悲しみにも彩られているのですよね。
とくに正当な怒りというものは、そうだろうと思います。
悲しみのない怒りは、ただの狼藉ですが――
悲しみに彩られた怒りは、おそらくは義憤です。
義憤ですから、十分に抑制の効いていることが多く――
よって、冷静に義を説くなどして、理屈でなだめつけることも可能ですが――
その背後に隠された悲しみに共感してみせると――
もっと効果的になだめつけることができます。
逆に、その悲しみに気づかないと――
何でもない言動が火に油を注ぎかねない――
正当な怒りを示しているようにみえる人と、あい対するときは――
その怒りを彩っている悲しみを感じ取ることが、何よりも大切でしょう。