文章は、巧く書こうと思ったら、何も書けなくなるものです。
――とにかく何でもいいから書いてやれ。
と思い定めない限り――
本当に何も書けなくなることがあります。
文章の書き方を伝える際に――
もっとも大切そうで、かつ、もっとも面白そうなテーマは、
――文章が書けなくなったときに、いったいどうするか。
でしょう。
ある作家は、ユニークな秘技をもらしています。
曰く――
――書かなければならない内容から遠く離れた言葉で書き出してみる。
というものでした。
例えば、作詩の評論を書かなければならないときに――
作詩から遠く離れた言葉――例えば、「U字溝」――から書き出してみる、とか――
――U字溝をみて「U字」のいわれを直ちに理解するのは困難である。U字溝を排水路から取り出し断面を覗き込まない限り、「U字」のいわれはわからない。作詩にも似た一面がある。
みたいに――
けっこういけるかも……(笑