マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人の知覚の原理

 辛味が甘味をひきたてるということは――
 よくありますね。

 スイカに塩をふりかけると甘さが増すという原理です。

 この原理は――
 結局のところは、人の知覚の原理でしょう。

 思いっきり要約してしまえば、

 ――A を知覚するには、その傍らに A でないものの存在しているほうがよい。

 ということです。

 つまり――
 もし、そこに A しか存在していなければ――
 人は、かえって A を知覚しにくくなるのです。

 この原理は、あらゆるところで応用可能です。

 例えば――
 毎日、忙しい生活を送っている人が、たまに暇な休日を過ごしたりすると――
 かえって自分の忙しさを痛感するというように――

 休日も忙しく過ごす人には――
 自分の忙しさがわからないというように――

 ということは――
 人は、いつも同じことを繰り返していては損なのです。

 つねに適度に変化をつけているほうがよい――
 そうすれば、少なくとも知覚は豊かになる――

 知覚が豊かになれば――
 精神が豊かになります。

 精神が豊かになれば――
 人生が豊かになるでしょう。